研究と報告 2012年「公の施設の指定管理者制度の導入状況調査結果」
指定取り消し等が2,415件、制度の抜本見直しは緊急の課題
2012年「公の施設の指定管理者制度の導入状況調査結果」
2013年4月 角田英昭(神奈川自治体問題研究所)
総務省は2012年11月6日、「公の施設の指定管理者制度の導入状況等に関する調査結果」(2012年4月現在)を発表した。これは同省が2004年と2006年、2009年に実施した概ね3年ごとの本格的な調査に続くもので、その概要は下記の通りである。
最大の問題は、指定取り消し、業務停止、期間満了取り止め(以下「指定取り消し等」)が、激増した前回調査(34→2100)よりもさらに増え2,415件になったことである。制度の創設以来9年間で4,549件にもなり、その結果、住民の福祉の向上を図るために設置された公の施設の多くが休止・廃止、民間譲渡等に追い込まれている。総務省は「制度は着実に定着している」と評価しているが、この実態は公的制度として前代未聞のことであり、制度の廃止を含む抜本見直しは緊急の課題である。