『国家安全保障と地方自治 「安保三文書」の具体化ですすむ大軍拡政策』(自治体研究社)のご紹介
このたび自治体研究社より、『国家安全保障と地方自治 「安保三文書」の具体化ですすむ大軍拡政策』が上梓(2023年11月15日)されました。当研究機構運営委員の白藤博行氏が「国家安全保障と地方自治」、川瀬光義氏が「防衛費(軍事費)膨張と財政民主主義の破壊」を執筆されていますのでご紹介します。
「防衛産業強化法」「経済安保法」「防衛財源確保法」など「安保(国防)三文書」を具体化する政策が次々と強行され、「戦争する国」への準備がすすむ。南西諸島をはじめとする地域や自治体への基地強化策も進行する。本書は、これら政策の内容を憲法と地方自治法の視点から検討し、国民の命と生活を根源的に脅かす「戦争する国」づくりの問題点を問う。
【お問合せ・申込み先】
自治体研究社 TEL:03-3235-5941
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「戦争する国」か、「平和を希求する国」か
「国家は戦争を騙(かた)り、国民は平和を語る。国家は「国防三文書」を騙り、国民は憲法を語る。私たちは平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、あらためて人間の生命と生活を根源的に脅かす戦争を断固拒否する。「戦争する国」づくりを止めて、築こう世界の平和を!」
【主な内容】
第1 章 国防三文書とその批判的検討 …………………………………… 永山 茂樹
はじめに─三文書とその改定
1 三文書の基調
2 だれが三文書改定を推し進めたのか
3 「戦争をする国」の軍事力
4 「戦争をする国」の社会
5 改定三文書と憲法の危機
第2 章 インド・太平洋地域における安全保障と経済秩序………… 小山 大介
1 世界経済情勢の変容とインド・太平洋地域
2 世界経済秩序の「ゆらぎ」とその背景─経済のグローバル化
3 歪んだ米中対立と世界の分断の実態
第3 章 経済安全保障法とその批判的検討 …………………………… 井原 聰
1 経済安保法の枠組み─緊張を高める「守り」と「攻め」
2 特定重要技術開発研究
3 セキュリティ・クリアランス(SC)と特定秘密保護法
4 SC 有識者会議の議論の特徴
5 学術研究体制変質の危機
第4 章 国家が軍事産業を育成・強化する「防衛産業強化法」と国家機密の拡大
…………………………………………… 前田 定孝
1 防衛産業強化法とは
2 「軍事産業基盤強化法」の法制度としての特徴
第5 章 防衛費(軍事費)膨張と財政民主主義の破壊 ………………川瀬 光義
1 戦後日本の防衛予算と防衛(軍事)力
2 第二次安倍政権下における防衛費優遇ぶり
3 安保三文書による軍拡予算
第6 章 国家安全保障と地方自治 ……………………………………… 白藤 博行
はじめに─岸田首相の軍事大国化への目線
1 「国家安全保障戦略」の勘所
2 「22 年安保戦略」と沖縄問題
3 「22 年安保戦略」と第33 次地方制度調査会の「非平時」論
おわりに─日本国憲法の平和主義への目線