『デジタル化でどうなる暮らしと地方自治』のご紹介
コロナ禍のなかで、行政のデジタル化が声高に叫ばれ、官民で国民・住民の個人情報を利活用しようという政策が進んでいます。その基盤づくりとして、行政のレベルでは戸籍・税務・健康保険など自治体の行う事務の「標準化・統一化」と全国レベルでのクラウド化が、国民・住民にはマイナンバーカードの取得が推進されています。
しかし、この仕組みでは、国民・住民の個人情報の大規模な漏洩が危惧されることや、国民・住民が自己の情報をコントロールする権利の保障がどうなるかなど、検討されるべき課題も多くあります。
本書は、政府が進めているIT 戦略の内容や自治体の実態にそって、行政デジタル化が暮らしや自治体行政に何をもたらすかを考える内容となっています。
発行:2020年9月10日
(自治体問題研究社) https://www.jichiken.jp/books/
第Ⅰ部 行政デジタル化の論点
1 Democracy 5.0 と「地方自治+α」
白藤博行
―国家と社会のデジタル化時代における「新しい自治様式」の探究―
急加速するデジタル化政策/デジタル化政策の法制度
地方行政のデジタル化政策と法制化/Democracy5.0と「地方自治+α」―「新しい自治様式」の探究への第一歩を―
2 行政のデジタル化と個人情報保護
稲葉一将
行政のデジタル化の特徴と現段階/個人情報保護の状態と課題
第Ⅱ部 自治体情報化・クラウド化の現場
1 番号法施行後の自治体情報化
吉川貴夫
2 戸籍法の一部を改正する法律と今後の戸籍事務
神部栄一
3 マイナンバーカードの普及と自治体の現場
佐賀達也
4―1 税務の「標準化」「共有化」と自治体の課税権
原田達也
4―2 「標準化」「共同化」を先取りした京都地方税機構
川俣勝義
5 保険・医療行政のデジタル化をめぐって
神田敏史
6 AI・デジタル化と公務の現場
久保貴裕