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2014.04.25

研究叢書第5巻「自治体行政システムの転換と法」の発行を記念し、シンポジウム「地方分権と社会保障改革 自治体の課題」を開催

    地方自治問題研究機構の研究叢書第5巻「自治体行政システムの転換と法」の発行を記念して、4月20日午後、シンポジウム「地方分権と社会保障改革 自治体の課題」を開催しました。19日~20日にかけて開催された「仕事・職場から憲法を地域にいかす、自治労連全国交流集会」から引き続いての参加者や研究者など72人が参加しました。
 はじめに、コーディネーターの白藤博行専修大学教授が「おじいいちゃん・おばあちゃん、そして子どもたち、普通の人々が、まっとうに生きられる社会を実現するための自治と分権のあり方を探る」と題して基調的な提案を行いました。白藤先生は、四日市ぜんそくで毎日住民が死んでいくのに、四日市市がコンビナート公害を規制するために上乗せ条例を制定することができないことを知り、地方自治体は何のためにあるのかと疑問を感じたことが地方自治を研究するきっかけになったと紹介。人間の命や人権や健康を保障するのは自治体の仕事であり、今、大事なのは時代を自分たちで変えるのだという主体的な意思だと強調しました。
 続いて、パネラーの本多滝夫龍谷大学教授が「地方分権改革20年とナショナル・ミニマム」、榊原秀訓南山大学教授が「保育所設備運営基準の条例化と保育所設置主体・保育主体の多様化」、豊島明子南山大学教授が「高齢者福祉法制の大転換と公的介護保障の課題」について、それぞれ発言しました。また、特別発言として、高橋光幸さん(自治労連保育部会事務局長)が「『子ども・子育て支援新制度』の施行と公立保育所」、佐藤伸さん(岩手県介護関係職員労働組合議長)が「介護現場の現状」、池尾正さん(自治労連医療部会議長)が「医療の市場化と公立病院の現状」について、現場の実態を報告しました。
 最後に、白藤先生がまとめを行い「この間、各分野で公的責任の放棄が顕著だが、それでいいのか。地方自治が必要なのは、日本のどこに住んでいても命や健康、生活を等価的に保障することが必要だからだ。この点がきょうのシンポジウムの焦点だったと思う。自治体の変容を許さないために住民と手を取り合って一緒に進んでいこう」と呼びかけて閉会しました。

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