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2013.06.18

地制調第5回総会 平成の合併市町村財政支援 都道府県の役割必要 答申

6月17日、政府の第30次地方制度調査会(会長・西尾勝東大名誉教授)は総会を開催し、「市町村合併による行政区域の広域化を踏まえた財政措置を講じる必要がある」 「小規模市町村への都道府県の補完役割必要」「都道府県と指定都市の2重行政の解消」などの答申をまとめた。

地制調第5回総会 平成の合併市町村財政支援 都道府県の役割必要

6月17日、政府の第30次地方制度調査会(会長・西尾勝東大名誉教授)は総会を開催し、「市町村合併による行政区域の広域化を踏まえた財政措置を講じる必要がある」 「小規模市町村への都道府県の補完役割必要」「都道府県と指定都市の2重行政の解消」などの答申をまとめた。

資料
大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス
提供体制に関する答申
目 次
前 文
第1 大都市を含めた基礎自治体をめぐる現状と課題
1 現状認識
2 三大都市圏・地方圏の課題
3 制度改革等の必要性
第2 現行の大都市等に係る制度の見直し
1 指定都市制度
2 中核市・特例市制度
3 都区制度
第3 新たな大都市制度
1 特別区制度の他地域への適用
2 特別市(仮称)
3 三大都市圏域の調整
第4 基礎自治体の現状と今後の基礎自治体の行政サービス提供体制
1 「平成の合併」の経緯と現状
2 基礎自治体による事務の共同処理等の現状と課題
3 具体的な方策

抜粋

(平成の合併市町村への財政支援)

三大都市圏には、規模・能力が一定以上あるが面積が狭い都市が圏域内に数多く存在する。効率的・効果的な行政体制を構築し、今後の急速な高齢化や社会資本の老朽化に対応するためには、自主的な市町村合併や基礎自治体間の広域連携を進めることが必要である。
このような地方中枢拠点都市や定住自立圏の中心市等の一定以上の人口規模のある都市から相当の距離があるような地域については、基礎自治体間の広域連携だけにより課題を解決することは難しいものと考えられる。今後は、このような地域において基礎自治体が提供すべき行政サービス等に関して、都道府県が地域の実情に応じて補完的な役割をより柔軟に果たすことも必要である。
合併市町村においては、行財政の効率化等の成果が現れつつあるが、併せて行政区域の広域化に伴う課題なども顕在化している。課題の解決に取り組む合併市町村に対しては、合併の効果を最大限に発揮できるよう適切な支援を行っていくことが必要である。
「平成の合併」により市町村の面積が拡大する等市町村の姿が大きく変わった面がある。市町村の安定した財政運営を可能にするとともに、地域の実情を踏まえ、住民自治を強化するためにも、支所機能を適切に活用する等の取組を継続的に進めることができるようにすることが必要である。このような観点から、市町村合併による行政区域の広域化を踏まえた財政措置を講じる必要がある。

(都道府県と指定都市の「二重行政」解消)
指定都市と都道府県との「二重行政」の解消を図るためには、まず、法定事務を中心に、都道府県が指定都市の存する区域において処理している事務全般について検討し、指定都市が処理できるものについては、できるだけ指定都市に移譲することによって、同種の事務を処理する主体を極力一元化することが必要である。

(都道府県による小規模市町村の補完)
小規模な市町村などで処理が困難な事務が生じた場合において、地方中枢拠点都市や定住自立圏の中心市から相当距離がある等の理由から、市町村間の広域連携では課題の解決が難しいときには、当該市町村を包括する都道府県が、事務の一部を市町村に代わって処理する役割を担うことも考えられる。
現行法においては、市町村の事務を都道府県に委託しようとする際、都道府県に当該事務を処理する体制がない場合等に、当該事務の委託はふさわしくないものとされてきた。市町村優先の原則や行政の簡素化・効率化という事務の共同処理制度の立法趣旨に留意しつつ、地方公共団体間の柔軟な連携の仕組みを制度化し活用することにより、都道府県が事務の一部を市町村に代わって処理することができるようにすべきである。