研究と報告

記事詳細

2019.11.14

研究と報告 136  原発災害避難自治体の現況と復興、自治の課題 -2019年度自治体調査結果の概要- 角田英昭(自治体問題研究所)

 現在、東日本大震災・福島第1原子力発電所事故に伴い全域避難を余儀なくされた双葉郡各自治体の帰還と復興対策が進められています。置かれている条件、状況は異なりますが、どの自治体も帰還促進に向けた早期の復旧復興、地域再生、地域経済振興、避難者の生活支援、財政及び推進体制の確立、広域連携など多岐にわたる問題に取り組んでいます。しかし、帰還の現実は厳しく期待通りには進んでいません。
 こうした状況を踏まえて、自治体問題研究所と福島自治体問題研究所が2019年7月に双葉郡の原発災害避難自治体(浪江町、葛尾村、大熊町、双葉町)で行った調査からは、この地域の復興・復旧、帰還問題は、何よりも原発事故という特殊な問題に起因しており、それ故の厳しさがあること。また各町村、住民、関係者の努力により一歩一歩前進していますが、課題は多く、時間がかかることなどが明らかにされています。