「民主的自治体労働者論 ~生成と展開、そして未来へ」
類書にはない特色をもつ1書
晴山 一穂(編著者・専修大学名誉教授)
本書は、自治体労働運動に深くかかわってきた当事者の実践に裏づけられた論述と、その運動に理解と共感を示しながらも、単なる運動論ではなく、あくまでそれぞれの専門の立場から理論的に問題に接近しようとする研究者の論述とが、それぞれの特色を発揮しながら1冊の本にまとめられている点において、類書にはない特色をもつものとなっています。
この意味で、本書が、自治労連に結集する自治体労働者はもとよりのこと、組合所属のいかんを問わず日頃の仕事を通して住民のために働いているすべての正規・非正規の自治体職員、さらには、公務員の身分はもたないものの何らかの仕方で自治体の公的・公共的業務にかかわっている公務・公共関連職場の労働者のみなさんにとって意味のあるものとなることを心から願っています。
【主な目次】
はじめに
序 章 働きがいのある仕事・職場を求めるあなたへ
猿橋均(自治労連中央執行委員長)
民主的自治体労働者論への誘い
第1章 自治体労働組合運動の歴史に学び、今にいかす─民主的自治体労働者論の生成・展開と実践
1 戦後の自治体労働組合運動と民主的自治体労働者論の生成、展開
駒場忠親(自治労連顧問)
2 憲法いかし、住民生活を守る──今日における自治体労働組合の役割と実践
中川悟(自治労連書記長)
第2章 地方自治と地方公務員制度のいま~歴史からたどり、現状と課題を考える
1 「全体の奉仕者」としての自治体労働者と憲法擁護義務
晴山一穂(専修大学名誉教授)
2 日本の地方自治の歴史と課題 本多滝夫(龍谷大学教授)
3 地方公務員の基本理念と制度改革・運用実態におけるその変容
榊原秀訓(南山大学教授)
第3章 自治体労働者の権利と働き方を考える
1 憲法が保障する自治体・公務公共関係労働者の権利
緒方桂子(南山大学教授)
2 公共サービスの担い手としての非正規公務員・委託労働者の働き方
戸室健作(千葉商科大学専任講師)
第4章 次世代の自治体労働者に引き継ぐもの─未来につなぐ民主的自治体労働者論
1 憲法民主主義のもとでの新たな地方自治体像と公務労働
二宮厚美(神戸大学名誉教授)
2 民主的自治体労働者の未来~ AI・デジタルイノベーション時代の自治体労働者はどう生きるか~
白藤博行(専修大学教授)