季刊 自治と分権

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No.76 /
2019.06

季刊 自治と分権 76号

 新自由主義のもとで広がる格差と貧困、公務の民営化・非正規化による労働者の不安、住民サービスの低下など国民生活をめぐる課題は深刻さを増しています。世間では天皇の代替わりによって元号が変わり、「令和最初の○○」と、まるで新しい時代が始まるかの雰囲気が作られています。
 特集では、公務公共サービスの産業化について、その変遷と対抗軸が示されており、現場レポートでは、学童保育事業、介護保険認定給付業務における民間委託との闘いと教訓が報告されています。

 首長インタビューは、沖縄県の玉城デニー知事。みんなで支えあう「新時代の沖縄」をつくろうと「万国津梁会議」が設置など新たな取り組みを。そこからは県民に依拠し「平和で誇りある豊かな沖縄」にしていく決意が伝わってきます。

 「皇位継承問題と日本国憲法」では、今回の皇位継承儀式・改元の問題点を指摘し、先入観にとらわれず現代社会に相応しいあり方を模索することが現実的だと説いています。

 シリーズ「Q&A イチから教えて!社会保障・社会福祉」では、いま話題の年金問題を取り上げていますので、ぜひご一読ください。

 今号を通して国が進める悪政から、住民生活を守る自治体・公務公共サービスを我々の手に取り戻すヒントが見えてきます。

 

 

「季刊・自治と分権」76号の内容は下記のとおりです。

. 随想  行政民間化―日本とイギリスの間 榊原秀訓(南山大学教授)

. 首長インタビュー

   沖縄県     玉城デニー知事

   インタビュアー 本多滝夫(龍谷大学教授)

. 特集  公共サービスの「産業化」

   新たな段階に入った公共サービスの「産業化」政策 

     岡田知弘(京都橘大学教授)

   公共サービスのあり方をゆがめる「産業化」の現段階と対抗の課題 

     尾林芳匡(弁護士)

   自治体業務における包括委託の問題点 ―静岡県島田市のケースから―

     山縣宏寿(専修大学准教授)

. 現場レポート

   京都市における介護保険認定給付業務の民間委託に対する闘い

     福島功(京都自治体労働組合総連合執行委員長)

   指定管理者変更による解雇、労働条件と保育の質の低下は許さない

     林敏夫(自治労連埼玉県本部特別執行委員)

. 皇位継承と日本国憲法 

     池享(一橋大学名誉教授)

. イチから教えて!社会保障・社会福祉

   第5回「年金問題」

     密田逸郎(立命館大学非常勤講師)

     畠中亨(帝京平成大学助教)

. 弁護団レポート

   公務災害の不支給処分は違法、高裁でも勝訴 ―頸肩腕障害療養補償打ち切り事件―

     小花和史(弁護士)

. ブックレビュー

   ①『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』(インターシフト)

     喜入肇(東京自治労連)

   ②『「南京事件」を調査せよ』(文春文庫) 

     懸谷一(福岡自治労連)

. 自治体日誌 3-5月

10. 編集後記、次号予告