季刊 自治と分権

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No.63 /
2016.03

季刊 自治と分権 63号

今号から表紙をリニューアル。その表紙を走るのは三陸鉄道です。東日本大震災で壊滅的な被害を受けましたが、2年前に運行を再開。地域の人たちが「お帰りなさい」と暖かく迎えてくれました。

首長インタビューは岩手県知事の達増拓也さん。「地方自治体の目的は住民福祉の向上であり、住民ひとり一人が念頭に置かれている。復興は一人の取りこぼしも許されない。復興には自治の本質が表れている」。東日本大震災津波を経験した首長だからこその言葉です。

特集は「社会教育・図書館と住民自治」。長澤成次先生、松岡要氏の論文と2つのレポートで構成。
レポート「人づくりこそがまちづくり」。岡山市の公民館に勤務する吉田郁美さんは、農業・漁業が中心の町で、女性講座の企画に悩む。あるとき、仕事と子育ての両立に負担を感じ「何のために自分はいるのか」という自分自身の素朴な疑問をテーマに「自分探しの旅に出ましょう」という講座を企画した…。岡山市の公民館充実運動のレポートであり、同時に一人の公民館職員の成長の軌跡でもあります。

河合克義先生は久しぶりの論文。昨年出版された『老人に冷たい国・日本-貧困と社会的孤立の現実』(光文社新書)をやさしく読みやすく書かれています。

他にも読みどころが満載です。

 

自治と分権 63号表紙「季刊・自治と分権」63号の内容は下記のとおりです。

1.随想 悲劇の島・沖縄が闘う“オール日本”への結節の構図 永山利和(元日本大学教授)

2.首長インタビュー 岩手県知事・達増拓也さん 
  「一人一復興」を原点に被災者の幸福追求権を保障する
  インタビューアー 晴山一穂(専修大学教授)

3.特集 社会教育・図書館と住民自治
 (1)社会教育の自由と自治をめぐる今日的課題 長澤成次(千葉大学教授)
 (2)図書館のあり方と民間委託 松岡要(元図書館協会事務局長)
 (3)人づくりこそがまちづくり~岡山市の公民館職員の活動から~
   吉田郁美(岡山市立上道公民館・自治労連教育部会幹事)
 (4)住民投票と「市民のための小牧市立図書館」づくり
   福本英雄(「小牧の図書館を考える会」事務局)

4.2016年度地方財政計画と国主導で変貌する地方行財政 梅原英治(大阪経済大学教授)

5.「老人に冷たい国・日本」-貧困と社会的孤立の現実-河合克義(明治学院大学教授)

6.Q&A イチから教えて!地方行政・地方財政
  住民とは   岡田正則(早稲田大学教授)
  国庫補助金等 森裕之(立命館大学教授)

7.シリーズ自治体労働者-実像に迫る 最終回
  今治市臨時調理員 千羽ルミさん
  地産地消・手づくりの学校給食と調理現場-子どもの命を預かる仕事が天職に

8.弁護団レポート/自治労連弁護団 
  地方公務員の時間外勤務手当についての一時例-東大阪市時間外勤務手当等請求事件- 北岡秀晃(弁護士)

9.ブックレビュー
(1) 堤未果『沈みゆく大国アメリカ〈逃げ切れ!日本の医療〉』(集英社新書)  星原徹(自治労連岡山県本部)
(2) 高橋源一郎×SEALDs『民主主義ってなんだ?』(河出書房新社)、 SEALDs『民主主義ってこれだ!』(大月書店)
永井和彦(自治労連愛知県本部)

10.自治体日誌(2015年12月~2016年2月)

11.読者のひろば