オスプレイ滋賀、高知で日米共同訓練 10月6日にあいば野反対集会
オスプレイ滋賀、高知へ 10月6日にあいば野反対集会
小野寺五典防衛相は6日午前、防衛省で記者会見し、米軍新型輸送機オスプレイを使った日米共同訓練を滋賀、高知両県で10月に実施すると発表した。米海兵隊が配備した沖縄県から移転して日本国内で日米共同訓練を実施するのは初めて。小野寺氏は「沖縄の負担を本土にも分散するという視点から検討してきた」と説明し、沖縄の基地負担軽減につながるとの認識を示した。オスプレイの安全性に関しては「米ホワイトハウスのスタッフも使っている」と述べ、問題はないとの認識を強調した。(2013/09/06共同通信)
高島市長 早く知らせるべき 住民の周知必要
嘉田知事は、饗庭野(あいばの)演習場が選ばれた理由や沖縄の負担軽減になるのか質問。及川局長は「ヘリを使う合同訓練が饗庭野であり、海兵隊が来るため」「沖縄で行っている訓練の一部が本土に来れば負担軽減になる」と応じた。飛行ルートなどは「決定後速やかに知らせる」とした。(毎日新聞9月6日)
これに先立ち及川局長は、高島市役所で福井正明市長に面会。福井市長は「もう少し早く知らせてほしかった。住民への周知が必要で、不安を払拭(ふっしょく)するために詳細な内容を速やかに知らせてほしい」と要請した。
あいば野平和運動連絡会10月6日反対集会
訓練について高島市の市民団体「あいば野平和運動連絡会」の早藤吉男共同代表(71)は「市民の不安は高まっている。1カ月前に発表する態度も許せない」と憤っていて、10月6日に反対集会を開く。
高知県 安全性に配慮を
アメリカ軍の新型輸送機オスプレイが、来月、高知県内で行われる日米共同訓練に初めて参加することになり、高知県は説明に訪れた防衛局の担当者に対し、訓練では安全面に一層配慮するよう申し入れました。中国四国防衛局の松田尚久企画部長らは6日、高知県庁で高松清之危機管理部長らと面会しました。
このなかで防衛局側は、来月下旬に、南海トラフ巨大地震を想定して自衛隊とアメリカ軍が共同で行う防災訓練のうち、四国沖に停泊する護衛艦から山口県のアメリカ軍岩国基地にけが人を搬送する訓練に、オスプレイを初めて参加させる方向で調整を進めていることを説明しました。
また、岩国基地と高知県土佐清水市にある航空自衛隊の土佐清水分屯基地、それに、香南市にある陸上自衛隊の高知駐屯地を結んで行う物資の輸送訓練でもオスプレイを含むアメリカ軍機を使用するとしています。
これに対し、高知県の高松危機管理部長は「日米共同の防災訓練自体は有益なものだが、県民のオスプレイに対する不安が完全に無くなったわけではない」と述べ、訓練では安全面に一層配慮するよう申し入れました。(NHK9月6日)
大阪府知事「国が安全と判断したのだと思う」
毎日新聞9月6日によると、大阪府の松井一郎知事は、オスプレイの訓練の一部を八尾空港(大阪府八尾市)など沖縄県外で実施するよう提案していることから、「国や米軍が安全と判断したのだと思う」と無責任な感想を述べ、滋賀、高知両県での訓練に賛同する考えを明らかにした。
アメリカではまたもオスプレイ墜落
米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが日本時間の8月27日午前、米西部ネバダ州のクリーチ空軍基地近くで、訓練中に着陸に失敗した。
沖縄タイムズの取材などによると、事故機は「ハードランディング(硬着陸)」したという。地面にたたきつけられるような着陸を指す航空用語だ。
県軍用地転用促進・基地問題協議会は8月28日、在沖米総領事館に事故状況の情報提供を求めたが、米側は「詳細な情報は持ち合わせていない」と述べたという。
事故からまる1日たっても事故の詳細が明らかにされないのは納得できない。日本政府は、強い姿勢で米側に申し入れ、一刻も早い情報開示に努めるべきだ。(8月29日沖縄タイムズ)
米ネバダ州で起きた海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ1機が着陸に失敗した事故で、当該機が事故当時、回転翼航空機特有のボルテックス・リング(VRS)状態が発生し、制御不能となっていた可能性があることが1日までに分かった。事故調査に関わっている米軍関係者が本紙の取材に対して明らかにした。
ボルテックス・リング状態とは、回転翼機特有の失速現象。下降する際に両方の回転翼の先端に渦巻き状の気流が発生し、機体を押し下げるなどコントロールが困難になる状態を指す。
米軍関係者は、乗員らの「砂埃(ぼこり)で視界が悪化し、失速した」などとの証言や、現場の状況が2010年にアフガニスタンで起きた空軍オスプレイの墜落事故と類似しているなどと指摘。オスプレイの機体構造に起因するVRS状態が発生していた可能性があるとの見解を示しながらも、事故原因は最終的に操縦士らのミスを示す人的要因となる可能性を示唆した。
米国海軍安全センターが8月27日に開示した基本情報によると、ネバダ州の事故は、視界が悪い状況下での着陸訓練の最中に発生。事故の規模は、機体が燃焼していることから、最も損傷の激しい「クラスA」にランク付けられた。(9月2日沖縄タイムズ)
参考 オスプレイの構造的な欠陥
沖縄県民がオスプレイの配備に反対しているのは、普天間飛行場への配備が負担軽減に逆行している上に、同機の構造的な「欠陥」が多くの専門家から指摘されているからだ。
その一つが「オートローテーション」と呼ばれる機能の欠如。エンジンが何らかのトラブルで停止した場合、機体の降下で生じる空気の力で回転翼を回して緊急着陸できる機能だ。
オスプレイの開発評価に携わった元空軍パイロットは2009年の米議会公聴会で証言。同機能の欠如に伴い、エンジンが停止すれば、飛行高度によっては墜落に至る危険性があると指摘している。
それだけではない。オスプレイが離着陸時やホバリング(空中停止)時に引き起こす強烈な下降気流が、動植物に悪影響を及ぼすことが懸念されている。
一方、米本国やハワイでは住民の反対によるオスプレイの訓練中止などが相次いでいる。ハワイでは、オスプレイの下降気流が遺跡保存や希少生物の生息環境に影響するとして、米軍は訓練を断念した。これは明らかに「二重基準」である。
沖縄県がオスプレイの飛行実態について318件の運用ルール違反を指摘したが、国は確証が得られないと回答した。違反の認識は「運用上必要な場合を除き」などとする米軍の解釈まかせだ。(沖縄タイムズ9月2日)