少子高齢化社会における地域介護 ―「高齢者介護に関する住民生活調査」最終報告書
介護保険のあり方のみならず、高齢者地域介護問題に一石を投ずる調査結果
介護保険発足後、自治労連と地方自治問題研究機構が共同した調査・研究の最終報告書。全国11自治体における抽出調査で有効回答数は4181ケース。各自治体ヒアリング(第2次調査)及び特定ケースのヒアリング調査(第3次調査)を経てまとめた、地域介護・介護保険関係者必読の調査報告である。「介護保険制度は利用者選択化すなわち国民による制度の主体的利用を重要な理念の一つに掲げてきた。しかし現実は、制度を主体的に利用する層は限られている。生活に困り、孤立し、声をあげず、控え目に暮らす人々の問題を把握する努力、システムが必要であろう。そこでは、介護保険制度の利用者、非利用者を超えて、彼らの生活上の問題をどのように把握するのかということが問われているのではないだろうか」(報告書「まとめ」より)
【主な目次】
I 章 調査の目的と構成
II章 アンケート調査の分析
1.高齢者生活の基礎的状況
2.一人で外出不可能な高齢者の生活状況
3.介護保険制度の申請・利用状況
III章 1次調査自由回答欄に記された介護保険制度に関する意見や生活上の困り事等
IV 章 事例調査の結果
V 章 調査から明らかになったこと
1.介護問題のみではなく生活問題への視点を
2.低所得・貧困問題
3.無視できない孤立状態にある人々の存在
4.介護保険制度の潜在的対象者
5.高齢者生活の全体的保障と公的責任
VI 章 資料
1.基本集計表
2.面接調査の事例
3.1次調査調査票
4.面接調査調査票
刊行年月日:2004/8