『デジタル改革と個人情報保護のゆくえ 「2000個の条例リセット論」を問う』のご紹介
このたび、自治体研究社より『デジタル改革と個人情報保護のゆくえ 「2000個の条例リセット論」を問う』が出版されましたのでご紹介します。
自治体は住民の個人情報を多く保有していることから、これまで個人情報保護条例により目的に合わせて個々の情報は慎重に取り扱われてきた。
ところが、デジタル改革関連法の成立により、住民の個人情報を“利活用”する方向が示され、個人情報保護条例は国の法律に合わせて「改正」を強いられ、その監督権限も国に一元化される方向へと動き出した。こうした政策の変化に、自治体はどう対応すべきか。
本書第Ⅰ部では、地方自治の視点から、デジタル改革関連法における個人情報保護法制の内容を検証するとともに、住民の権利と団体自治を守るための自治体の課題や条例の論点を具体的に考える。第Ⅱ部では、自治体(世田谷区)の事例を通じて、デジタル改革の動きや個人情報保護条例改正に向けた自治体の実情と課題を紹介する。
【お問合せ・申込み先】
自治体研究社 TEL:03-3235-5941
http://www.jichiken.jp
E-Mail info@jichiken.jp
【主な内容】
Ⅰ 自治体における行政のデジタル化と個人情報保護 庄村勇人
1 行政のデジタル化と個人情報保護法制改正の経緯
2 2021 年個人情報保護法改正の内容
⑴ 2021 年個人情報保護法改正の概要
⑵ 既存の条例と改正個人情報保護法との相違点
3 若干の検討
⑴ 自治体行政のデジタル化に伴う標準化・統一化への評価
⑵ 個人の尊重
⑶ 地方自治その1 「2000 個問題」は「問題」なのか?
⑷ 地方自治その2 国が法律で行うべき問題か?
⑸ 地方自治その3 条例制定権
⑹ 地方自治その4 事務・組織改編論
おわりに―憲法的価値の実現に向けて
Ⅱ 世田谷区における行政デジタル化と個人情報保護をめぐる課題 中村重美
1 DX・「行政のデジタル化」をめぐるこの間の経過
2 行政のデジタル化が世田谷区に与える影響と課題
⑴ 国の動きがストレートに区「審議会」に「報告」という形で持ち込まれた
⑵ 審議会を舞台に区条例の見直しをめぐる議論が展開された
⑶ 国の動きは区議会や区の実施計画等にも影響を及ぼしてきた
3 世田谷区における個人情報保護条例制定の経過と特徴
4 デジタル技術の利活用は、住民福祉の増進と人権擁護の視点を基礎に