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 2007年02月22日(木)

憲法・観光・漁業の元気な町ー土佐清水市

●『自治と分権』の首長インタビューで、四国の最南端の土佐清水市(西村伸一郎市長)に行ってきました。インタビューの詳細は『自治と分権』27号をご覧になって頂くとして、少し、印象などをのべておきたいと思います。
 
 土佐清水市は、「足摺岬」と言えば知らない人はいないと思いますが、四国の最南端です。インタビューを申し入れた際に、東京からは一番遠い(つまり時間がかかる)所ですよ、と念を押されました。高知の自治労連の書記長に「高知でいま、元気な取組を行っている自治体を紹介して」とお願いしたところ、土佐清水市が良いのでは、ということでお伺いした次第です。
 確かに、時間はかかり(松山空港からレンタカーでかなりとばしました)、足摺岬の国民宿舎足摺テルメ(元は市の直営だったものですが、現在は「指定管理者」で市の100%出資会社が運営ー担当者も全国から公募した)には日が暮れたころ到着をしました。
 この宿で、じつは美味しいと評判の「清水さば」を食べようと思っていたのですが、不運にも当日入荷しなかったということで、地元の「たびえび」(ぞうりえび)をしょくしました。
 

テルメの夕食


 上の食事の左上と右上の方にあるのが「足袋エビ」です。これがなかなか身が締まっていて美味しく、また、温泉も良質でお薦めの国民宿舎です。

●さて、翌日の午前中は、市長の秘書課の係長さんに市内を案内して頂きました。ご両親が漁師ということで、最初に案内されたのが、魚市場です。「清水サバ」を生け簀にいれた漁船が、列をなして荷揚げを待っています。漁船から市場内にある大きな「生け簀」まで、若い職員が網に「清水サバ」をいれて、全力疾走します。私たちがみている間にも、何往復もしておりましたから、かなりの運動量(笑い)です。
 市場内には、私のみたところでは、鯖はもちろんのこと、かなり型のよいタイ、ブリやヒラマサ、ハタ、イカなどが荷揚げされており、大きなヒラメの競りなどを行っておりました。
 土佐清水市だけで、16(?)の漁港があるということで、入り組んだ地形に小さな漁港が沢山あり、自然の良港です。
 
●「海の駅」にも案内をしていただき、ジョン万次郎の活動がわかる記念館もありました。秘書課の方が残念がっていたのは、ジョン万次郎の研究や宣伝が遅れており、沖縄の方が進んでいる。NHKの大河ドラマなどで取り上げてくれるように、働きかけもしているけど、その果たした役割ほど、全国的に名がしられていないということでした。
 ジョン万次郎は貧しい漁師の息子でしたが、船が難破した際にアメリカの船に救助され、その才能を見込まれて一人だけアメリカに「留学」したということですから、余程、あたまが良かったのでしょう。土佐の坂本龍馬や後藤象二郎などとの交友や(英語やアメリカの民主主義、国際情勢などを熱く話し合ったようです)、福沢諭吉の英語の先生でもありました。
 市長にインタビューを行った際も、ジョン万次郎のことが出てきました。土佐の自由民権にアメリカの民主主義を導入した、と。
 英会話の辞書なども自作しており、「海の駅」に展示されておりました。また、アメリカの捕鯨船の船長が倒れた際に、選挙で副船長になったという展示もありましたから、人望や国籍を問わない統率力もあったのでしょう。いまでこそ、なにか四国の最南端で「こんなところから、偉人が輩出しているのか~」と思いがちですが、黒潮が真っ先に接岸する地方だからこそでもあったと思われます。

清水サバの昼食


 今回は大サービスで、「清水サバ」の昼食の写真も提供します。これは、「関サバ」より美味しいと地元の人がいうだけあって、確かに大変美味しいものでした。東京ではちょっと食べられないリッチな雰囲気を味わいました(すみません)。

●さて、肝心のインタビューですが、西村伸一郎市長のお話は、漁業振興や農業振興に真剣に取り組まれていること、三位一体改革による財政困難の下でも、経営努力を職員が一体となって行い、介護の一部負担金への補助を継続していることや、中学校までの医療費の無料化(両方とも、四国では土佐清水市のみ)など、福祉に力をいれ、また、教育に力を入れていることを強調されておりました。
 農業では、他の地域と同じようなものをつくっていては生き残れないので、営農指導員を全国から公募して、パイナップルやキャベツ(あまおとめ)の育成や農家指導などを、行政主体で行っていることを述べておられました。
 お話では、「官から民へ」の流れの中で、行政がやることへの批判もあるけれど、漁業や農業の振興は自治体が責任を持たないと、発展できないとキッパリと仰っておられました。実は、秘書課の方にこのパイナップルやキャベツのハウスに案内をして頂き、美味しいキャベツ(小さなキャベツで、そのまま食べると甘い香りがします。当然、その日の夜に美味しくいただきました<笑い)などを頂戴しました。この場を借りて、御礼を申し上げます。

●西村伸一郎市長のお話の『圧巻』は、憲法や民主主義のお話でした。三橋代表委員(静大教授)が憲法について質問をしたところ、市長室に掲げてある歴代の市長の写真を指さしながら、元市長も「9条の会」の呼びかけ人で、署名も住民の過半数を集めた。憲法擁護、特に9条はこれから国際的にも発展させて、広めていく必要がある。高知県の「勤評闘争」の話まで出て、うれしくなりました。
 ここでも高知の歴史の重みや、ジョン万次郎のアメリカ民主主義の導入などについて力を込めてお話になっておりました。教育も地元でのジョン万次郎について教えるなど、自分たちの地元に誇りをもつ必要を述べておりました。
 今回のブログの題名を「憲法・観光・漁業の元気な町」としましたが、実にバランスが取れており、財政的なやりくりも「巧み」で、行政の手練れという印象を持ちました。
 ぎょろっとした目(失礼)は、一見するとちょっと怖そうな感じがしますが、漁業振興や農業振興、ジョン万次郎などのお話をする際は、目尻がさがり、笑顔が素敵です。
 最後に職員のことについて、若い人を採用して育てることの重要性。住民のために働くことの尊さなどを強調され、給与カットを行っていないのは、四国では自分のところだけだと述べておりました。ここには、行政への自信、職員への信頼が見てとれ、とても頼もしく感じました。

足摺岬のさま