2004年12月28日(火)
東北初の首長リコール成立ー浪岡町=青森市との合併は?
●どうなる北東北の自治体再編
27日付けの「河北新報」によれば、青森市との合併を進めている浪岡町で、加藤新吉町長(68)に対するリコールの賛否を問う住民投票が26日行われ、即日開票の結果、解職賛成が7037票で、反対の4043票を上回り、町長は即日失職をした、ということです。なお、当日の有権者数は1万7105人、投票率は66.24%でした(2度の住民投票条例案に首長は反対を表明、町議会は否決をしてきた結果が今回のリコール運動に発展)。
「平成の合併」をめぐって、東北地方初の首長リコールの成立ということですが、今回のリコールはかなり大きな意味を持っています。北東北3県では、県都が中核市となっているのは、秋田市のみで、岩手県盛岡市、青森県青森市、弘前市、八戸市などが合併によって「中核市」を目指して来ましたが、紆余曲折の末、今回の合併によって「中核市」になれそうなのは、当面は青森市のみという状況になっていました(なお、昨年11月末に盛岡市と玉山村の合併協議会が設置され、合併に向けて「前進」している。合併が成立すれば、人口は30万人を2千人ほど上回り「中核市」の条件を満たすことになる)。
浪岡町では元々さまざまな運動が行われていましたが、既に、合併協議会は新都市計画も策定して、県議会の議決を含め、合併の手続きを終えている段階にあり、この首長リコール運動の「成否」や「意味」が注目されておりました。今回、リコールの成立によって町長の進めてきた「強引な合併」に「ノー」の審判が住民によってくだされたわけですが、既に合併に関する議決も行っているので、今後は、浪岡町をはじめ、青森市、青森県が、今回の結果をうけてどのような立場を取るのか、という局面に入って行きます。
元々、青森県は人口が150万人程度ですが、青森市、弘前市、八戸市がそれぞれ合併によって人口30万人を要件とする「中核市」になった場合、県の人口の三分の二が三市に居住するという、かなり歪な状態になることが危惧されていました。
ところで、北東北三県はその広域連携(三県合体→道州制の実現)によって、都道府県合併の先行例になることが注目されてきましたが、この広域連携が前提にする「自治体の再編」「産業の再編」なども、成りゆきによっては、筋書きがかなり違ったものになって来る可能性が出てきたと思われます。
今回のリコール運動は、合併反対の町民グループ「住民投票を求める会」が進めてきたものであるだけに、単なる自治体間の「いざこざ」による合併破綻とは、かなり政治的な意味も異なっています。今後は町長選挙と同時に、合併(解消)問題での「手続き的」問題が出てくると予想されます。「求める会」では「青森市との合併に町民はノーの意思を示した」として(1)臨時議会の招集(2)合併撤回のための事務的手段を講じること(3)工藤助役と常田道彦収入役の進退を明らかにすること―などを要請しています。
今一度、三位一体改革を含めた「自治体の将来」について、腰を据えた議論が必要であり、小泉構造改革に対する客観的な評価が重要になって来るでしょう。以上のような意味において、一自治体における「リコール」成立という意味以上の問題を孕んだ出来事であったと思われます。今後の事態の推移に注目をしたいと思います。
●河北新報HP参照

